専門家コラム

緊急事態宣言により急増する給料ファクタリングの利用者|複数社の利用と再契約の注意点

緊急事態宣言により急増する給料ファクタリングの利用者複数社の利用と再契約の注意点

今般の新型コロナウイルスによる影響は、世界経済はもとより日本経済および労働環境にも大きな影を落としています。

現在我が国は人の移動を極力制限するために緊急事態宣言が発せられていますが、対象地域が全国に広がり、適用期間も延長が決定されました。

事態は長期化の様相を呈し、お金の問題を抱える人が急増しています

給料ファクタリングは現金を必要とする人を助けられる有効な手段ですが、使い方を誤ると生活を圧迫することもあります

緊急事態宣言により利用者が急増している現状を踏まえて、本章では給料ファクタリングの正しい利用の仕方について丁寧に解説していきます。

新型コロナショックがもたらした影響

新型コロナショックがもたらした影響

今般のコロナショック真の影響力が未知数のウイルスによりもたらされています。

当初、若い人など体力のある人は重症化しないという見解が多数を占めていましたが、最近は体力のある若年者も重症化することが分かってきました

芸能人など影響力のある人も多く感染し、死者も出ています。

今や、誰でもかかる可能性があり、感染すれば重症化する可能性が十分にあるということ、そして直近では症状がごく短時間で急変することも指摘されています。

朝元気だった人が夜に亡くなってしまうという、急激な症状悪化の症例が多く報告されるようになり、病原性の本態がなお解明されていない未知のウイルスとの戦いが続いています。

政府は人の移動を制限することで市中感染を防ぎ、また医療崩壊を防ぐために緊急事態宣言を発し、同時に多くの企業には休業要請を行うことになりました。

企業にとっては、ビジネスが止まることで真っ先に重荷となるのが従業員の人件費です。

企業の倒産を防ぐため、身代わりとなる人員解雇が急増しました。

なんとか解雇は避けられた人も、国内すべての事業が停滞していますから、連動して自社の仕事は減ることになります。

出勤日の短縮、ボーナスの不支給などで予定していた収入が得られなくなった人も相当数に上るでしょう。

支払いが必要なのにその資金がない時、通常は借り入れを考えると思いますが、債務超過や信用の限界で新規の借り入れができない人も大勢います。

そんな時にでも、給料ファクタリングならば現金調達が可能ですから、強い味方になります。

このような背景もあり、給料ファクタリングの利用が急増しているのですが、新しい現金調達法でもあり、正しい利用の仕方が分からず生活に支障が出るケースが増えています

給料ファクタリングの危険性やリスクを正しく知ろう

給料ファクタリングの危険性やリスクを正しく知ろう

給料ファクタリングの仕組みを正しく理解しなければ、闇雲に利用してしまい生活が成り立たなくなる恐れが出てきます。

ですから給料ファクタリングを利用するのであれば、そのリスクや危険性をしっかり把握しておかなければいけません

給料ファクタリングの手数料負担はかなり高く、個別ケースにもよりますが概ね15%~40%程度のレンジになることが多いでしょう。

仮に30%だとすると、10万円の給料債権を買い取ってもらうのに3万円の手数料が必要です。

手元に残る現金は7万円ですから、手数料によるロスはかなり大きいことが分かります。

借り入れの利息と比べると大きな負担になることは以前から指摘されていましたが、そもそも給料ファクタリングと借り入れとは利用方法の想定も違います。

カードローンなどは繰り返しの利用が最初から想定されていますが、給料ファクタリングは手数料負担が大きいので「この難局だけ何とか乗り切れれば」という場面で、一度きりの利用を想定しています

その代わり即日入金も可能な迅速性があり、多くの業者で対面を要さない手軽な手続き方法を採用しています。

具体的に想定される利用シーンとしては例えば以下のような場面です。

・急病やケガで医療費を支払わなければならない
・冠婚葬祭で包む現金が必要
・冷蔵庫など必須の家電が壊れて急いで買い替えなければならない
・給料日までまだ日があるけど、急な支払いに充ててしまったので食料を買うお金がない
・家賃や携帯電話など、未払いに対するペナルティのある請求に応じるための支払い資金が必要

これらの現金需要は決して恒常的なものではなく、そのピンチを何とかして乗り切った後は、同じ事態にならないように準備を整えておくべき事案です。

給料ファクタリングというのは、何とかこのピンチを切り抜けなければならないという場面で、高い手数料の負担を甘んじて受けつつ、必要最低限の現金を調達する手段として考えるものです。

このことをよく理解して給料ファクタリングを利用するのであれば、生活を危険にさらすリスクはさほど高くないでしょう。

しかしお金が必要という事態に正常な判断力を失ってしまうと、むやみやたらと利用を続け、生活資金がなくなってしまう危険が高くなります。

次の項からは正しい給料ファクタリングとの付き合い方を詳しく見ていきます。

生活資金を残せるように自分で歯止めをかける

生活資金を残せるように自分で歯止めをかける

給料ファクタリングは借り入れとは全く別の仕組みですので、仮に今金融ブラックであったとしても利用することはできます

借り入れには個人の信用情報を登録する仕組みがあり、各金融機関はこの情報機関に照会することで利用者の借り入れ状況を把握できます。

総量規制などに引っかかればそれ以上の借り入れができなくなりますが、給料ファクタリングではそのような規制がありません。

まったく別のシステムで動いていることは利点にもなりますが、基本的には何度でも好きなだけ利用できるので、利用者が自分で歯止めをかけないと結局は手数料の負担で自分の生活資金が足りなくなる結果になってしまいます

給料ファクタリング業者もビジネスですから、利益を取れれば断ることはないでしょうが、総量規制など利用者を守ってくれるルールがないことを重々承知したうえで、利用者は自らに規制をかけるスタンスを持つことが大切です。

複数社の利用は避ける

複数社の利用は避ける

借り入れのような信用情報機関の関与が無いことは、もう一つのリスクを発生させます。

借り入れの場合、各金融機関は情報機関に登録された個人情報を共有する形になるので、どの会社が照会しても正確な情報にたどり着けます。

給料ファクタリング業界にはそのような仕組みがないので、借り入れのように利用者が著しい債務超過状態にあっても個別業者は気づくことができませんから、利用者は複数社を掛け持ちすることができてしまいます。

グループで運営していると思われる一部の給料ファクタリング業者は、利用者の情報を統括してグループ各社で共有しているところもあるようですが、これはそのグループの利益を考えてのことであり、利用者を守るためのものでもなければ、業界全体の問題を解決するためのものでもありません

ですから基本的には個人情報の共有はなく、複数社の併用利用はできることになります。

柔軟性があって良いことだとする意見もあるかもしれませんが、重複利用は手数料の負担が重なって生活資金を重層的に圧迫する懸念が高まります。

全を考えて、二社以上を重複して利用することは避けるようにしてください

再契約はよく考えよう

再契約はよく考えよう

複数社の重複利用は避けるべきとお話ししましたが、同じ給料ファクタリング業者と再契約することもできます

ほとんどの業者は一回目の取引後、手数料精算が済めばその日のうちに再契約が可能としています。

先に述べたように、給料ファクタリングはどうしても必要な現金を用立てするために、一度きりの覚悟で利用するのが本来の正しい利用法です。

現金需要が連続することがあるかもしれませんが、最初から連続利用を想定して臨むことは避けるようにしましょう

再契約が可能である場合、「手数料を少しおまけしますよ」などとメリットを提示されることもありますが、再契約が本当に必要なのかどうか、まずはよく考えることが大切です。

借り入れも複数回利用することで金利が安くなることがあり、これにつられて繰り返してしまう人がいますが、給料ファクタリングでもこのような「おまけ」を提示されると心が揺らぐ人もいるかもしれません。

それでも、その場ですぐに再契約の返事はせず、いったん保留して頭を冷やして再契約の必要性を考えてみましょう

もし本当に現金を用立てる必要があれば検討しても良いですが、その業者の手数料が高い場合は他社に乗り換えた方が有利なこともあります。

手数料については現状で規制がなく、各社が個別ケースを吟味して提示していますが、二社間取引の実質的な相場は大体30%前後となることが多いでしょう。

良心的な業者であれば25%程度のこともありますし、逆に40%くらいが常態となっている業者もあります。

担当者との相性の問題もあるかもしれませんが、高い手数料で再契約するよりは手数料の低い業者の方が負担が軽くなりますから、乗り換えを検討することも考えましょう

当サイトでは多くの給料ファクタリング業者を調べていますが、手数料が低めのところは対応などの評判も良いことが多いです。

優良業者は当サイトでもいくつかお伝えしていますので、ぜひ参考になさってください

悪徳業者にも注意!

悪徳業者にも注意!

現状で法規制のない給料ファクタリング業界には、闇金系などの悪質な業者も相当紛れ込んでいます

そしてその参入数も増えていると見られますので、悪質な業者に接触しないように十分に注意が必要です。

個別業者の安全性や信頼性については個人での判断が難しいこともありますが、当サイトでは各業者の安全性について講評を行っていますし、危険性が高いと判断された業者については個別に注意喚起も行っています

個別業者が発するHPなどの情報だけで判断せず、当サイトのような第三者目線で行う評価も参考にして、付き合う業者を選定するようにしましょう

まとめ

まとめ

本章では、昨今のコロナショックに伴う給料ファクタリングの利用増加を踏まえて、生活を破綻させないための正しい利用の仕方についてお伝えしてきました。

給料ファクタリングは手数料の負担が大きく、現状で利用者を守る法律やルール、仕組みがないことから、自分で規制をかけなければならないということを強く意識してほしいと思います。

複数社の利用もしようと思えばできてしまうので、給料ファクタリングの必要性の有無については自分の責任で判断しなければいけません

よく言われることですが、給料ファクタリングも「ご利用は計画的に」の表現が当てはまります。

自分自身の生活を圧迫しないよう、計画的な利用を心がけましょう