専門家コラム

第二弾|七福神以外で給料ファクタリングを利用できる業者

第二弾|七福神以外で給料ファクタリングを利用できる業者

法人向けのファクタリングサービスを個人向けに転用した給料ファクタリングサービスは、少しずつ参入する事業者が増えてきています。

それだけ需要があるということになりますが、本サイトでは給料ファクタリングで有名な七福神以外にこの業種に参入した事業者を随時追ってご紹介していきます。

今回は第二弾になるので、第一弾の紹介記事と共にご参考になさってください。

■ファクタル(Factal)

最初にご紹介するのは「ファクタル(Factal)」です。

https://factal.jp/

運営元は熊本のリブノース合同会社というところで、今年2019年5月23日に公式HPを開設しています。

合同会社は比較的規模の小さいビジネスをする場合に利用されることがあり、株式会社でいうところの役員にあたる合同会社の社員は、全員有限責任となります。

株式会社よりは信用の面で多少劣りますが、給料ファクタリングでは買い取り債権の入金さえしっかりしてくれればそれほど影響はないものと思います。

問い合わせや申し込みはフリーダイヤルも準備しているので、利用者目線での準備はしっかりやっているなという印象です。

所在は熊本ですが、「他県在住者は利用不可」の記載はありませんし、申し込みの必要書類の送付はメールで可能となっているので、遠隔で他県からの利用も想定されていると考えて良いでしょう。

申し込みに必要な書類は以下となります。

・顔写真付の身分証明書(免許証や住基カードなど)

・社会保険の保険証

・直近2ヶ月分の給料明細、または給料が振り込みされている通帳のページ(給料明細に『支給日』が記載されていない場合は、給料が振り込まれている通帳ページの画像等)

ネットバンキングの利用者は給料の入金が分かるスクリーンショットでもOKです。

公共料金や電話料金の請求書を任意で用意すれば審査が有利になるようです。

ファクタルのサイトには三者間取引の図も掲載されていますが、今のところ同社は二者間取引のみのサービス提供です。

アナウンスされている手数料は10%~となっています。

平日13:00までに申し込みをすれば当日の振り込みも可能なようですが、別途スタッフに確認を要します。

サイトの下部には「個人情報の取り扱いについて」という項目があり運営元としての理念が確認できるので、一通り目を通しておくことをお勧めします。

初回の接触方法としては電話、サイト内の問合せフォーム、直のメールアドレスがあります。

以下に確認できる範囲でファクタルの基本情報をまとめます。

給料ファクタリングのファクタルのホームページトップ画像
名称 リブノース合同会社 ファクタル(Factal)
代表 北川 一寿
住所 熊本市東区御領8丁目8-10
メールアドレス info@factal.jp
TEL 0120-518-900
営業時間 9:00~17:00(土日祝休み)
ドメイン取得日 factal.jp 2019年05月23日

全体的に、ファクタルのサイトは給料ファクタリングについて必要な情報はシンプルに分かりやすく説明できているのと、フリーダイヤルを用意して利用者のことを考えていること、企業情報もしっかり開示していることから比較的安心して利用できるのではないかと思われます。

■Wallet Link (ウォレットリンク)

次に紹介するのはWallet Link(ウォレットリンク)です。

公式サイト経由の他にLINEを利用した申し込みもできる、利用者の利便性が高い給料ファクタリングサービスです。

公式HPでは一般の方に馴染みの無い「ファクタリング」という表現は表立って使っておらず、「給与早期受け取りサービス」をうたっています。

働いた分の給与を事前に受け取れる旨の説明があり、労働債権の売買契約であることが明記されています。

契約形態は二者間ファクタリングとなり、勤め先に連絡はいかないと説明がされています。

電子契約で完結する仕組みで、遠隔地からの利用が可能です。

上記公式サイト内のフォームからも申し込みができますが、LINEから手続きを行えばより早い審査が可能になります。

LINEで手続きを行う場合の流れは以下の通りです。

①Wallet Linkを友達申請

②画面に表示される質問に答えて必要書類をLINE経由で送付

③既読が付いたら審査開始

④審査通過後にメールで電子契約書が送られてくるので、署名して返送

⑤入金

HP経由ではフォームからの申請後、メールを用いて概ね似たようなやり取りで手続きが進みます。

なおLINEを利用した手続きであっても、契約書の送付の為にメールアドレスは必ず必要になります。

フリーアドレスでもOKなので、キャリアメールが無ければGメールなどを用意しましょう。

現状では手数料の情報は公式サイトで確認できませんが、必要書類は以下の旨記載があります。

・通帳2か月分の給与振り込み履歴(ネットバンクはスクリーンショットでも可)

・顔写真つき身分証明書(免許や住基カード)

※マイナンバーカードは利用できません

・社名入りの社会保険証

上記に加えて以下の提出があれば審査が有利になります。

・給与明細

・公共料金の領収書

・家族全員分の記載がある住民票

・社員証

・名刺

審査時間は30分ほどで、午後3時までに手続きが終了すれば当日中に振り込みを受けられます。

運営元については「株式会社アクアバレー」という会社で、本業ではオンラインショップの運営や商品開発を手掛けているようです。

資本金が50万円ということで資本体力としては大きな企業とは言えませんが、平成28年設立の若い会社で、若年層に浸透しているLINEを使ったファクタリングビジネスに参入しました。

公式サイトには「反社会勢力に関する基本方針」や「プライバシーポリシー」の用意もあるので、利用前には一読しましょう。

以下に確認できる範囲でWallet Linkの基本情報をまとめます。

給料ファクタリングのWalletLinkのホームページトップ画像
サービス名 Wallet Link
運営元 株式会社アクアバレー
所在地 東京都港区芝一丁目3番7-701
設立年月 平成28年10月
代表取締役 水谷 快樹
メールアドレス info@aquavalley.co.jp
TEL 0120-214-091
営業時間 平日9:30~18:00
ドメイン取得日 walletlink.jp 2019年07月05日

全体を通して、Wallet Linkは運営元が金融業以外からの参入であること、及び資本体力面で多少の心配はあるものの、情報開示はしっかり行っている点で好印象です。

またフリーダイヤルの用意があることや、LINEの活用など利便性の面で秀でているので、特に若年層の利用増加が見込まれます。

■ビアペイ(アプリ)

次に紹介するのは「ビアペイ」です。

https://beer-pay.com/

一般的なサイトと毛色が違い、アプリによるサービス提供となっています。

現状ではアプリを起動しても進めないようですが、不具合が解消されれば利用できるようになると思われます。

ビアペイの運営元は株式会社ビアペイという会社で、主に不動産業を営んでいる会社です。

ビアペイの公式HPを詳しくチェックすると、ちょっと気になる点がありました。

サイト下部には、提供するサービスがファクタリングであるとしっかり記載がされているのですが、サイトのコンテンツ内では「お金を借りる」、「返済」などの文言が使われています。

ファクタリングは借り入れではないので、利用者が混同する恐れがあります。

給料ファクタリングはまだ認知度がそれほど高くないことから、仕組みを理解していない一般の人がイメージしやすいようにとの配慮で上記のような表現を用いているのであれば良いのですが、実際に利用する際にはファクタリングに名を借りた貸し付けでないことを契約においてしっかり確認するようにしてください。

公式サイト内で確認できる情報としては、申し込みに必要な書類として以下のものが挙げられています。

・顔写真つきの身分証明書

・直近二か月の給与明細

・勤務先の情報

他に審査は5分程度であることと、手数料の入金(サイトでは「返済」という表現になっています)は給料日から5日以内ということが記載されています。

ここで、HPをチェックしてイマイチ具体性がないなと思い、利用規約を調べてみました。

すると、利用規約の第三条にこのような条文が確認できました。

第3条 (当サービスの内容)

当サービスは、資金調達に関する情報提供及び提案並びに資金調達先候補の事業者(以下「資金調達先候補」といいます)に対する個人情報の代行提供サービスとなります。

また第五条に以下の条文を確認しました。

第5条 (契約の締結)

1. 資金調達先候補との契約の締結は、利用者がご検討された上で、利用者と資金調達先候補との間で直接行うものとします。

2. 当社は、利用者と資金調達先候補との間で締結される契約等の当事者又は代理人にはなりません。また、利用者、提携事業者のいずれに対しても、契約の締結の媒介を行うものではありません。

3. 資金調達先候補との契約の内容に関しては、資金調達先候補から提供される情報が、当サービスにおいて提供される情報より優先されます。利用者は、資金調達先候補から提示された商品・サービス内容や条件を十分にご理解の上、取引を行うようにしてください。

これはつまり、株式会社ビアペイ自体はファクタリングサービスを提供する主体とはならないということです。

従って、この利用規約でいうところの「資金調達先候補」となる業者がどんな業者であるのか、自分で見極めなければならないということになります。

もしかしたらその業者はファクタリングではなく貸し付けを行う業者かもしれないので、やはり利用の際には実際の業態がファクタリングなのかそうでないのか、しっかり確認する必要があるでしょう。

以下では、ビアペイの運営元であるビアペイの基本情報で確認できるものをまとめておきます。

給料ファクタリングのビアペイのホームページトップ画像
名称 株式会社ビアペイ
所在地 東京都台東区寿三丁目20番7-101
代表者 代表取締役 逆藤 維貞
電話番号 03-3526-2760
支払方法 銀行振込
申込後のキャンセルについて 要確認
その他 返済時のシステム手数料(6%)、振込手数料(324円)
ドメイン取得日 beer-pay.com 2019年02月25日

■強運堂

最後に紹介するのは「強運堂」です。

https://kyoun.jp/lp/

サイトを確認すると、他の一般的なファクタリングサイトとは一風異なるポップな作りになっています。

フリーランスの業務委託報酬にも対応しており、学生のバイト代も取引の対象になると記載があります。

全体的に給料ファクタリングの仕組みが分かりやすく説明されているのは肯定的に受け止められますが、詳細を見ていくといくつか懸念事項が見えてきます。

まず登録・利用による手数料は一切かからないとありますが、登録は別として債権買取には当然手数料的負担が必要になるはずです。

現金化にかかるロスの分が実質手数料の負担になることは承知しておいてください。

申し込みに必要な書類も記載がないので、問い合わせの際に個別に指示が来るものと思われます。

ファーストコンタクトでの問い合わせ方法としては、電話とサイト内の問い合わせフォーム、ファックスがあります。

最も大きな懸念としては、強運堂の運営元企業の詳細が確認できないことです。

サイトの名称は強運堂としても、正式な企業名としての記載がないのは心配です。

所在地を確認すると、東京都渋谷区桜丘町17-12とあり、ここはSOHO等に利用するベンチャーオフィスが入居する建物になっています。

運営元の詳細が確認できないことはリスクになるので、利用にあたっては注意を要します。

初回の接触方法としては電話、サイト内のフォーム、ファックスがあります。

確認できる範囲で強運堂の基本情報をまとめます。

給料ファクタリングの強運堂のホームページトップ画像
名称 強運堂
所在地 〒150-0031東京都渋谷区桜丘町17-12
TEL 03-6303-1588(受付時間 平日9時~19時)
FAX 03-6800-1744

■まとめ

今回は七福神以外で給料ファクタリングを提供する事業者情報の第二弾としてお送りしてきました。

需要があることが少しずつ知れてきたので、今後も色々な事業者が参入してくるものと思われます。

しばらくは玉石混交で進むものと思われますが、今回ご紹介してきた中ではサイトの作り、運営元の情報開示などを勘案し、総合点で「ファクタル」 と「Wallet Link」 がお勧めしやすい印象です。

ビアペイはアプリで利用しやすい方式を取りますが、サービス提供の責任の所在があいまいなのは少し心配です。

強運堂はパッと見で見やすいサイトを作っていますが、運営元の情報が少ないのが懸念材料です。

いずれの業者を検討するにしても、条件等はしっかりと確認する必要がありますし、個人情報の提供が必要なことから利用にかかるリスクは自己責任となることに留意してください。