お金のトラブルを発生させるサービスや手口、そしてそれらを提供する業者の数は、枚挙に暇がありません。複数のカテゴリに分けられるようなものも多々ありますが、ここからは最近特にトラブルが多くみられる悪質な金融サービスや手口をご紹介します。
ヤミ金(ソフト闇金)
違法金融業者の代表的な存在といえば、やはりヤミ金業者です。
ヤミ金業者とは、貸金業法で定められた貸金登録番号を取得しておらず、利息制限法に違反する金利を要求する融資事業者です。
また、最近目立つ「後払い・ツケ払い現金化サービス」や、数年前に台頭した「給料ファクタリング」などを提供する事業者も、融資事業を掲げていないとはいえ、法外な手数料を要求することから、広義ではヤミ金業者として括ることができます。
なお、現在の利息制限法では借り入れをした元本に応じて下記のような上限金利が設定されなければなりません。
利息制限法の上限
・10万円未満の借り入れ 年利20%
・10万円から100万円まで 年利18%まで
・100万円以上 年利15%まで
もしも借り入れに際して、上記の上限を超える金利を要求するようであれば、その業者はヤミ金業者と断定することができるでしょう。
そのほかにも、ヤミ金業者の主な特徴としては、先に述べた「貸金業の無登録」や「利息制限法に違反した金利設定」以外にも、以下のようなものが挙げられます。
・信用情報がブラックでも貸し出しOKを謳う
・時間を問わず自宅や職場へ1日に何度も連絡をする。または訪問する
・別の金融事業者での借り入れを要求する
・ATMへ強制的に同行する
・貸し出しの条件として性的な写真や動画の送付を要求される
このように、無許可による営業や法外な条件提示のみならず、明らかに非人道的な行為を伴うのもヤミ金業者の特徴です。
さらに最近では、ソフト闇金と呼ばれるヤミ金業者の存在も目立つようになってきています。
ソフト闇金とは、若い女性や爽やかな男性を広告塔として登場させたり、在籍確認なしでの契約、返済日を自由に設定できるなどと謳うことで、他の業者よりも優しい印象を与えて集客する金融事業者です。
その名の通り、誰でもソフトに借り入れができ、怖い目にあうことはないだろうというイメージがありますが、実態は他ならぬヤミ金業者そのものです。
無許可・違法な金利の提示はもちろん、軽率に借り入れ契約をして返済に遅れるようなことがあれば、ヤミ金業者と同じような行為で返済を迫られることもしばしばあります。
少しでも甘い条件や文言が並んだ広告やホームページを見かけても、まずは冷静になってヤミ金業者であることを警戒し、利用を思いとどまるようにしましょう。
後払い・先払いファクタリング(現金化サービス)
「後払いファクタリング」とは、後払い決済を利用して購入した商品(スマホやブランド品、商品券など)を転売、または購入した商品のキャッシュバックやキャンペーンの宣伝に協力することによって現金を得られる金融サービスです。
一方、売却したい商品の実物を業者に発送する前に、商品の写真などを送るだけで、査定が行われ現金が前払いされる金融サービスが「先払いファクタリング」と呼ばれます。
どちらのサービスも、商品の売却に伴う現金の取得であるため、法律上は何の問題もありません。その業者が古物商許可を得ていれば、なおさらです。
ところが、これら「後払いファクタリング」「先払いファクタリング」を提供する業者の多くがヤミ金業者といわれているのです。
その理由としては、「利用手数料」や「事務手数料」などの名目で、法外な金額の支払いを要求するため。
たとえば18万円の商品を後払い決済で購入するよう業者に指示され、その後10万円の支払いを受けたとします。
利用者は、後払いで18万円の決済を行なっているわけですから、10万円を入手しても、当然ながら翌月以降に18万円の返済が求められるわけです。
つまり利用手数料名目などで差し引かれる8万円は実質的には利子にあたり、年利に換算すれば973%。
利息制限法で定められた上限金利が20%であることを踏まえると、違法性の高い金融サービスであることは明白です。
「後払いファクタリング」も「先払いファクタリング」も、職場への在籍確認なしで契約できるなど、融資に比べると圧倒的に利用しやすい金融サービスとして宣伝されていますが、その実態は、多くがヤミ金業者によって提供される悪質なサービスです。気軽に手を出さないよう、くれぐれも注意してください。
仮想通貨・ロマンス詐欺
最近、被害の急増がみられるのが仮想通貨の投資詐欺やロマンス詐欺です。
両者に共通する特徴としては「相手を信じ込ませることにより、金銭を搾取する」という点。
仮想通貨の投資詐欺においては、「確実に価値が上昇する」などという触れ込みで仮想通貨への投資を促し、金銭を集めたうえで、そのまま雲隠れしてしまうというケースがよくみられます。
ロマンス詐欺とは、マッチングアプリや交流サイトなどを通して知り合った相手を言葉巧みに騙して金銭を搾取する行為。
容姿端麗な写真を用いるとともに、まるで恋人や婚約者になったかのように親密な振る舞いをし、完全に恋愛感情を抱かせて信じ込ませた状態になったと同時に、「同棲の準備費用」や「結婚費用」といった名目で金銭を求めるわけです。
そのほかにも、FXやバイナリーオプションに関する詐欺や、容姿端麗な外国人からアプローチをかけられ、現金や投資への入金を求められる国際ロマンス詐欺なる行為も頻発しています。
給料ファクタリング
2010年代後半頃から急速にサービスの普及が広がったのが給料ファクタリングでした。
給料ファクタリングとは、個人が支給される予定の給料を債権として業者に売却し、給料日よりも早期に回収できるという個人向けの金融サービスです。
しかし、その事業スキームは完全にヤミ金そのものであったことから、提供業者の摘発が相次いだほか、金融庁が正式に「ヤミ金」と断定する見解を発表するなど、給料ファクタリングは悪質な金融サービスであるとする認識が拡大。
現在では、サービス自体がすっかりと鳴りを潜め、インターネット上などにおいても、あまり広告や業者のホームページは見当たらないようになりました。
しかし、SNSを通じてひっそりと給料ファクタリングを提供する業者がわずかに存在するほか、給料ファクタリングの悪質な事業スキームは、先に紹介した「後払いファクタリング」や「先払いファクタリング」へと受け継がれており、かつての給料ファクタリング業者も変わらず違法性の高い金融サービスの提供を行なっているものです。
お金の被害・トラブル・借金問題の解決方法
もしもヤミ金をはじめとする、違法性の高い金融サービスを利用してしまい、生活を脅かすほどのトラブルや不安を抱えている場合は、すぐにでも弁護士や司法書士といった法の専門家へ債務整理等の相談をするべきなのは確かです。
ところが、多くの人はそういった法の専門家への相談は多額の費用が発生すると思い込んでおり、躊躇う傾向にあります。
しかし、これは大きな勘違い。
実は、弁護士や司法書士といった法の専門家への相談については、現状で手元に費用がなくても、後払いや分割払いへの対応、また、期間限定で無料相談を実施しているケースなどもあり、決してハードルの高い行為ではないのです。
また相談以外に、たとえば任意整理を実行したい場合などにおいても、収入証明書を提示するなどして、将来的な支払いを証明および約束できれば、すぐに業者との交渉を開始してもらえることもあります。
ただし、「法の専門家」だからといって、すべての先生がお金の被害・トラブル・借金問題を得意としているわけではありません。
当サイト「お金のトラブル解決ナビ」では、お金の被害・トラブル・借金問題を、何度も円満に解決してきた実績を持つ弁護士や司法書士の先生を紹介しています。
円滑に相談を進められるもちろん、適切な手段で問題を解決へと導いてくれる先生に依頼できれば、これまで抱えてきた不安や悩みからスッキリと解放されるはずです。
・お金の被害・トラブル・借金問題は、1人で悩まないでください。
・誰にも相談せずに、1人で解決しようなどとは思わないでください。
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