専門家コラム

「ツール市場」張本雄一容疑者逮捕!悪質な後払い現金化グループ摘発!

逮捕

個人の現金需要に訴求したサービス提供を行う業者の中には元給料ファクタリング業者を中心とした悪質な者も紛れ込んでおり、全国各地で逮捕事例が相次いでいます。

当サイトでは以前から悪質業者の逮捕事例を追って都度紹介しており、今回も新たなニュースをキャッチしましたので早速お届けしたいと思います。

情報をお届けします

■被害額約2億8千万円!今回の逮捕事案の詳細は?

今回逮捕されたのは東京都板橋区の張本雄一容疑者(45)及び仲間の男女10人です。

中心となる張本容疑者は複数のサイトを開設し、仲間と協同してグループを組み運営にあたっていたとされています。

「ツール市場」と銘打ったサイトが利用者を流入させる主な窓口となっていたようで、価値のない情報商材を後払いで購入させ、レビュー投稿をさせることで先行して宣伝広告費名目の金員を交付、これが実質的な貸付けにあたると判断されました。

分かっている範囲で、2020年9月以降たった1年間で約7400人の客に対し約2億8千万円の売り上げを得たとされています。

コアなリピーターは良いカモになってしまったようで、香川県内の30代男性ら10人に対しては、80回以上にわたる貸し付けを繰り返したことも分かっています。

実際に扱っていた商材はポイントサイトへの登録方法など、ほとんど価値のない情報だったため、正当な売買目的ではなく、カネの融通が目的であると判断され、これが出資法違反にあたるとして逮捕されました。

■逮捕されたのはやはり元給料ファクタリング業者だった

今回逮捕された容疑者はかつて給料ファクタリングを行っていた者であることも分かっています。

給料ファクタリングとは、勤め人の方が会社から給料をもらう権利を「債権」と捉え、これを売却して現金に換えるロジックです。

一時期流行ったこともありましたが、金融庁に違法認定されてから一気に衰退し、現在では表立って営業する業者はいません。

元給料ファクタリング業者の多くは看板を変えて、現在個人向けの現金化サービスの主流一角を占める後払い現金化に流入しています。

しかし元々素性の良くない給料ファクタリング業者はこちらでも高圧的な営業をするなど悪質な経営をしがちです。

注意

そのため逮捕されているのはほぼ全て元給料ファクタリング業者で、恐らく利用者からの苦情が多く上がるため警察の捜査対象に挙がるものと思われます。

特に、今回逮捕された張本容疑者に関しては在日系の悪質な反社であるとのうわさもあり、ビジネス云々の前に元々の素性が非常にダークであることが伺えます。

こうした素性の良くない連中も現金化業界には簡単に入り込めてしまうのが実情です。

個人の現金需要に応じるサービスは多くが貸金業とは異なるロジックを組むため貸金業者の扱いを受けず、法律上の登録義務などが無く行政による監視も受けません。

ただこれが柔軟なサービス提供につながり利用者の利便性を高めることにもなるので、一律に業者に規制をかければ良いというものではなく、需要と供給に対する安全確保とのバランスをどう保つかが重要と言えます。

重要ポイント

■後払い購入自体は違法認定されていない

ここで一つ重要な点を押さえておきますが、今回の逮捕に至ったのは運営者の悪質性が元となっているためで、個別案件において出資法違反が問われたということです。

後払い取引自体に違法性があるわけではなく、給料ファクタリングのように金融庁の違法認定を受けているわけではありません。

これは先払い現金化も同じで、取引形態自体に違法性があるわけではないので誤解のないようにしましょう。

同じよう商品券やギフト券の現金化にも違法性はありません。

ただ今後の現金化業界を考える中で、今現在流通している取引形態のうちどれが最も違法性の認定を受けやすいかといえば後払い現金化かもしれません。

売買の主体が財産的価値のあるモノや情報であれば売買取引自体が成立しますが、今回の逮捕例のように価値が無いと判断されやすいものを媒体にした場合、警察としては出資法違反を指摘しやすいからです。

先払い現金化などは最初から価値のある商品のやり取りが前提ですので、後払い現金化の方が取り締まりの対象にされやすいということは言えるでしょう。

ただ、後払い現金化は利用者からすると他の手法よりも使い勝手がよく、ルールも分かりやすいので利便性の面では優秀です。

今のところは後払いスタイルの現金化も違法性認定はされていないので、問い合わせに対する説明に誠意が見られないとか、高圧的な態度を取るような業者を避けるなどして自己防衛しながら業者選定をするようにしましょう。

■まとめ

まとめ

本章では悪質現金化業者の最新の逮捕事例をお届けしました。

今回も元給料ファクタリング業者が逮捕されたもので、グループを動員して2億円を超える被害額を生み出した事案でした。

後払い現金化は業者サイドとしても面倒な手間が要らないことから、悪質業者が参入しやすくなっています。

今のところ後払い現金化自体が違法性認定を受けたわけではありませんが、悪質業者が流れ込みやすい業態であることは認識しておきましょう。