現金化、現金調達業界では個人向けの需要に対し様々な手法で要望を満たすサービスが提供されるようになっています。
きびしい法規制がまだ及んでいないため、利用者側から見ると使い勝手が良いなどのメリットもある一方、悪質業者が入り込みやすい環境にあることから一定のリスクも存在します。
実際に一部の悪質業者が逮捕される例もあり、利用者サイドとしては悪質な業者がいることを前提とした理解が求められます。
この回では、これまでの現金化業界の変遷を簡単に辿りながら最新の逮捕事例をお伝えし、同時に対処法なども見ていきますのでぜひ参考になさってください。
目次
現金化業者と刑事事件化 これまでの経緯
個人向け現金調達を手掛けるサービスは手法的にいくつかのロジックに分かれていますが、以前はその中に「給与ファクタリング」という手法が存在していました。
本来「ファクタリング」とは、商社間でなされる掛け取引において生じた売掛債権を売却し現金化するものですが、これを個人向けに応用したのが給与ファクタリングです。
お給料をもらう権利(債権)を売却し、早期に現金化することで目下の現金需要を満たすことができます。
利用者側としては面倒な手続きが不要で難しいロジックもなく、利用しやすいサービスであったため瞬く間に利用者が急増しました。
しかしこのロジックはその後金融庁に違法認定がなされることとなり、給与ファクタリングは闇金扱いされる存在となってしまったため、今では表立って活動する給与ファクタリング業者は見かけません。
ただし、給与ファクタリングに関与していた一部の悪質業者が利用者を苦しめる例は未だに少なからず存在します。
現在流通のある各種現金化サービスを提供する業者の中に、給与ファクタリングの元関係者が紛れ込んでいることもあるので、我々としてはこの認識を持っておくことが必要でしょう。
では次に、現金化業者に関する最新の逮捕事例を確認してみます。
最新の逮捕事例をチェック
一つはクレジットカードのショッピング枠の現金化をうたって実質的な貸し付けをしたとして、出資法違反の容疑で逮捕された業者の事例です。
逮捕されたのは東京の「トラストファイブ」の社長と役員ら7人です。
会社としては古物商の許可を取っていたようですが、実質的には貸金業を営み、2018年~21年にかけて、全国5900人に計約23億5000万円を貸し付け、約9億5000万円の利益を得たとされています。
また埼玉では2021年ころまでに無許可で金を貸し付け利益を得たとして、会社員ら4人が逮捕されています。
会社員らは共謀し、情報商材を購入させて口コミを投稿することの対価を支払っていましたが、これが実質的に金貸しを行ったと認定されたものです。
逮捕されたうちの三人は過去に給与ファクタリングも実施して利益を得ていたとされます。
この給与ファクタリングによって苦しんだ利用者が警察に相談して一連の事件が発覚した模様です。
もう一つはソフト闇金と呼ばれる違法な金貸しを行う組織で、「ソフト闇金ピカソ」を名乗って運営していた5人が逮捕されています。
ソフト闇金はネット上で堂々と闇金をうたうことが多く、対応が“ソフト”であることを売りにしますが、中身は闇金そのものです。
他の現金化業者は表向きは合法性をうたいますが、ソフト闇金はそのような素振りを見せずに違法性の認識を表に出して営業することもあります。
現金需要を抱える側としては使い勝手などの面も考慮するでしょうし、どのような形態の現金化業者を使えばよいか、即座に判断がしにくいこともあるかもしれません。
次の項では違法性のない個人向けの現金化業者にどのようなサービス形態があるか、簡単に押さえていきます。
個人を対象にした適法な現金化サービスの態様
近年における個人向けの現金調達支援サービスは大きく以下の4つの形態があります。
当サイトでもこれらの業者を紹介していますので参考にして頂ければと思います。
①後払い現金化業者
業者が指定するモノ(多くはデジタルコンテンツ)を購入し、キャッシュバックとして現金を得たり、レビューを投稿して宣伝広告報酬を得ることができます。
②先払い現金化業者
利用者が売りたいアイテムを売却して換金しますが、品物を業者に郵送する前に、画像査定によって買取を実施し、即日に買取金の交付を受けられます。
媒体となるのは金券類、ギフトカード、スマホやゲーム機などが多く、業者によって取り扱う媒体は異なります。
なおここではギフトコードの即時買取業者も含めて捉えています。
③クレジットカード現金化業者
クレジットカードのショッピング枠を現金化するもので、業者の指示に従って商品を購入し、これを現金化業者が買い取ってその代金を支払います。
以前は現物の郵送作業が発生するものもありましたが、最近はそうした手続きが不要で購入から売却まで一連の作業を全て業者が代行してくれる形態が多くなっています。
クレカ現金化は今のような種々の現金化サービスが開発される以前から存在し、相当古い歴史があります。
④後払いアプリ・プリペイドカード現金化業者
上記③のクレカ現金化に加えて最近発達してきたのが後払いアプリやプリペイドカードの現金化です。
クレジットカードのようなショッピング枠が設定されるので、クレカと同じロジックで現金化が可能です。
クレカを持てない人や持ちたくない人でも、後払いアプリやプリペイドカードは所持のハードルが低く、クレカと同じように現金化サービスを利用できるので人気があります。
個人の現金化サービスは以上見てきた形態の業者を選ぶことが第一のポイントになり、これでソフト闇金などの悪質性の非常に強い業者をはじくことができます。
しかしこれら現金化業者の中にも悪質業者が紛れ込んでいることがあるので、さらに具体的なポイントを見ていきます。
業者選びの際に注意すべきポイント
①給与ファクタリングは絶対に避ける
表向きは普通の現金化をうたっていても、話を聞いているうちに「給料債権を買い取る」などと言い出したら、それは違法認定された給与ファクタリングですから絶対に取引は行わないでください。
②貸付をうたう業者は使わない
例えば「利息」や「返済」など金貸しを示すような説明をされた場合は要注意です。
貸金業登録をした正規業者以外は金の貸付けを行えませんから、貸金業登録番号を持たずにそうした説明をする業者とは付き合わないようにしましょう。
③契約書を作らない業者は避ける
前項で見た各種現金化業者も、真っ当な所であれば必ず契約書を作成します。
電子契約となることが多いと思いますが、そうした手順を踏まない業者は安全面でリスクがあるので付き合わない方が無難です。
④保証人や担保を要求する業者は避ける
前項で見たロジックで取引を行う業者は貸金業者ではありませんから、真っ当に事業をしているところは保証人や担保の要求などはしません。
もしそのような要求がある場合は素性の良くない可能性があるので避けるようにします。
⑤対応が悪く高圧的なところは避ける
明確な危険性が確認できなくても、高圧的で対応が悪く感じられるところは避けるのがセオリーです。
業者の質は対応に現れるので、直感に従って危なそうなところは避けるようにしましょう。
まとめ
この回では業界の変遷などと共に現金化業者の逮捕事例を確認し、安全な業者選びのポイントを見てきました。
現金化サービスはとても便利なもので、いざという時にお金の用立てを助けてくれます。
ただし現金化業者は数が多く、中には悪質な業者も紛れこんでいるので注意を要します。
実際のところ安全な業者選びは素人の方にとって難しい面もあるでしょう。
当サイトでは安心して利用できる業者の調査や選定も行っていますので、参考にして頂ければ幸いです。